【朝から耳ラジオ】第5回「世代で違うヘッドホン文化——50代と若者の音の風景」

【朝から耳ラジオ】第5回「世代で違うヘッドホン文化——50代と若者の音の風景」

2026年8月2日(日)、ラジオ日本「朝から耳ラジオ」の第5回をお届けしました。8月最初の日曜の朝、お聴きいただけましたでしょうか。

キクモアを運営する弊社neumoの代表取締役CEO・若林が、自身の経験から感じた「音」と「脳科学」の面白さを、フリーアナウンサーの小川真由美さんとともにお届けするこの番組。第5回のテーマは「世代で違うヘッドホン文化——50代と若者の音の風景」です。世代によって異なるヘッドホンとの付き合い方から、静かな島の聴力研究、そして電車の中の通話がなぜ気になるのかという話まで広がりました。

放送の内容を振り返っていきます。

北京大学のプレゼンを中国語で——丸暗記で挑んだ30分

冒頭は、番組で時々海外の話題が出ることにちなんで、若林の海外経験のお話です。2〜3年にわたり、1年のうち半分ほどをアメリカのサンフランシスコで過ごしていたといいます。英語は「多少は話せる」程度で、仕事で使う英語ならある程度話せるとのこと。加えて、中国語も少しだけ話せるそうです。

中国語を始めたきっかけは、前職時代に北京大学でインターン生募集の説明会を毎年開いていたことでした。もともとは90分すべて英語でプレゼンする予定でしたが、講演の1、2か月前、日本に住む中国人の友人に「若林さん北京大学で講演するんだったら、中国語でプレゼンしなよ」と、流暢な日本語で言われて断れなくなったそうです。

中国語はゼロからのスタートでした。もう一人の中国人の友人に発音をすべて録音してもらい、それを丸暗記したといいます。90分すべてを中国語で話すのはやはりきついため、30分を中国語、残りの60分を英語で話す構成にしました。反応は悪くはなく、「頑張って話しているな」という受け止めだったのではないかと振り返ります。

バイオリンをやっていたこともあり、中国語の四声——音が上がったり下がったりする——は、若林には音楽に聞こえるそうです。また、知らない外国語を懸命に聞き取ろうとするうちに聴覚に関わる脳が鍛えられたようで、その当時はいつもよりクラシック音楽の音がよく聞こえたり、ジャズの音がよく聞こえたりしたといいます。この経験が、今のneumoの音と耳と脳の事業につながっています。

15歳から24歳は、ほぼ2人に1人が毎日ヘッドホンやイヤホンを使用

本編のテーマは、ヘッドホンやイヤホンの文化です。電車の中でも歩いているときでも、特に若い人はワイヤレスイヤホンをつけていることが多いと若林は話します。ある調査によると、15歳から24歳ではほぼ2人に1人が、ヘッドホンやイヤホンを毎日つけているそうです。これが50歳から69歳になると5人に1人ほどまで減るため、若者のほうがつけている頻度は他の世代より多いのではないかといいます。

また、コロナ禍以降に顕著になった変化として、リモート会議やオンライン会議が増え、イヤホンをつけて会議をする人が多くなったことも挙げられました。

WHOのレポートと、音量を抑えるための工夫

長時間の使用について、若林は、大きな音量で使い続けると耳に負担がかかる可能性があると話します。WHOのレポートでは、全世界で10億人から11億人ほど(数字にはさまざまなものがあります)の若者が、難聴のリスクにさらされているとされています。もちろん必ず難聴になるということではなく、リスクがあるということです。その理由の1つとして、ヘッドホンやイヤホンを使用していること、しかも大音量で音楽を聴いてしまっていることが、レポートで指摘されているといいます。

1日何時間までという絶対の目安はありません。ただし大きな音で長時間はよくありませんし、非常に大きな音になれば1時間以内でなければいけないという話にもなってきます。そこで紹介されたのが、スマートフォンの設定です。iPhoneでは「ヘッドホンの安全性」という設定で最大音量を決められるため、それより大きくならずに済み、耳に優しい使い方ができます。

さらに、地下鉄などの騒がしい場所で音楽やポッドキャストを聴く場合には、うるさい音をカットして小さくしてくれるノイズキャンセリングイヤホンを使うと、相対的に音が小さくても済むようになるため、おすすめだといいます。

ラパ・ヌイ島の研究——島に残った人と、都会に出た人

続いて紹介されたのが、ラパ・ヌイ島の研究です。ラパ・ヌイ島とは、モアイ像が並ぶイースター島の現地側の名前で、イースター島という名前自体はオランダ人、つまりヨーロッパ側の名前だそうです。

40年ほど前、この非常に静かな島で行われた研究では、島で生まれ育ってそのまま生活した人と、ラパ・ヌイ生まれで都会の騒がしいところで生活した人を比較しました。その結果、都会に出た人のほうが聴力が低下していました。

ただし若林は、都会の食事やストレスなど、さまざまなものが耳に影響する可能性があるため、騒音だけに原因を特定することはできないと補足します。そのうえで、聴力の低下の一つに、もしかしたら騒音もあるかもしれない——騒がしい中で生活している私たちが気をつけなければいけないことを示唆してくれる話ではないか、とまとめました。

なぜ電車の中の通話だけが気になるのか

最後は、静かな島から騒がしい都会に話を戻します。電車の中で携帯電話を使って話すことはマナー違反とされる一方、同じくらい大きな声で2人で話している人がいても、よほどうるさくない限りマナー違反にはなりません。これは不公平というか、変な感じがしないか、と若林が問いかけます。

小川さんが挙げたのは、携帯電話で話している人はその人の声しか聞こえないので、なんとなく気になるという点でした。若林はこれを「めちゃくちゃ鋭い」と受け、片側だけの会話しか聞こえないところに理由があるかもしれないと話します。

そこで披露されたのが、電車の中で営業の電話をしている場面の一人芝居です。見積もりの話から金額、そして条件へと話が進みますが、相手の返答は聞こえません。小川さんからは、続きが気になるという反応が返りました。

両側の会話、つまり2人で話しているのが聞こえている場合は、どんな条件だったのか、見積もりはもう送っていたのかといった内容が分かるため、まったく気になりません。欠落しているものを気にしてしまうのは、人間の脳が何でも予測してしまう癖から来ているといいます。ドラマの続きが気になるのも、次がどうなるんだろうと脳が予測するからです。スポーツ観戦でも、9回裏で2塁3塁に走者がいて打者が大谷選手という場面で、ここでホームランを打つか、最近膝が痛そうだから三振してしまうかと考えるのも予測です。

片方向しか聞こえない会話は、その後どうなっているのかを予測してしまうため、頭を疲れさせたり、気になってしまったりします。2人で話している人よりも1人でそうした話をしている人のほうがうるさく感じ、電車の中で携帯電話で話すのはマナー違反だと思ってしまう——その深層心理の根底には、こうしたものがあるのかもしれない、という結論でした。

次回放送

次回、第6回は「音を聞く植物、マツヨイグサの不思議」に迫ります。

ぜひお聴きください!

「朝から耳ラジオ」番組情報

「朝から耳ラジオ」は、「毎日の会話に寄り添う」株式会社neumoの提供でお届けする番組です。neumoの代表取締役CEO・若林龍成が、フリーアナウンサーの小川真由美さんとともに、毎回「耳と脳の関係、耳と脳の不思議」に迫っていきます。若林が自身の経験から感じた「音」と「脳科学」の面白さをお届けしていきます。

番組名:朝から耳ラジオ
放送日時:毎週日曜6:00〜6:15 (2026年7月5日より放送開始)
放送局:ラジオ日本 FM92.4MHz/AM1422kHz
radiko:
https://radiko.jp/index/JORF/
(放送時間外は別の番組が表示されます。放送時間にクリックすると「朝から耳ラジオ」が表示されます。)

▼今回の放送を聴き逃した方はこちら

第5回「世代で違うヘッドホン文化——50代と若者の音の風景」2026年8月2日(日)放送
https://radiko.jp/#!/ts/JORF/20260802060000
(放送日より7日以内視聴可能)







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