「データセンター銀座」印西市、イオンモール隣に高さ53mの巨大施設 ―― マンションから11m、住民は「だまされた気持ち」。冷却ファンと発電機の騒音は何dBで、体にどのような影響があるのか

住宅の隣に建つ大きなデータセンターと冷却設備を見上げる家族を描いた白黒のイメージイラスト

AIが便利になるほど、その裏側で増え続けるのがデータセンターです。千葉県印西市では、マンションのすぐ隣に建設が始まり、訴訟にまで発展しました。産経新聞が10月4日に報じた記事をもとに、なぜこの施設が嫌われるのか、そして「止まらない音」が体に与える影響についても簡単に整理します。

なぜデータセンターは嫌われるのか? 窓の無い巨大な箱が、ある日突然「工場扱いされずに」住宅の隣に建つ

データセンターは、窓のほとんどない巨大な箱でサーバーを24時間動かし、その熱を大型ファンで冷やし続ける施設です。設備は工場に近いのに、建築基準法に専用の用途区分がなく、「事務所」や「その他」扱いなので、住宅の隣にも建ってしまいます。これが、各地で反発が起きる一番の理由です。

住民から見た「得体の知れなさ」も不安を生みます。データセンターの中身はセキュリティの対象なので、計画が分かるのは着工の直前だったりします。ある日マンションの前にデータセンター建設の看板が立つ。住民が不安に思うのも無理はありません。

印西市では住民は「だまされた気持ち」と提訴、国は連絡会議 ―― 争点は「データセンターは工場なのか」

約30棟が集まり「データセンター銀座」と呼ばれる印西市では、「イオンモール千葉ニュータウン」の隣に、高さ52.7メートル・6階建ての1棟が着工しました。隣のマンションの敷地からは、わずか11メートルです。

隣のマンションの武田淳一さん(40)は「人間がここに住んでいると知っていて、巨大なデータセンターを建てるのか。だまされたような気持ちです」と産経新聞に語っています。住民10人は3月、地区計画で禁じられた「工場」や「倉庫」に当たるとして提訴。国も関係省庁の連絡会議を設けました。裁判でも国の会議でも、問われ続けているのはデータセンターは「工場なのか」ということです。

データセンターは具体的にどんな音を出すのか? 施設全体の「ブーン」は敷地の境界で60〜80dB、非常用発電機の試運転は約8m離れた所で90〜105dB

音の出どころは3つ。24時間止まらない冷却設備(冷却塔や大型ファン)と変圧器、そして月1回ほど試運転する非常用のディーゼル発電機です。米国の住民向け解説サイト「Data Centers, Explained」がまとめた参考値は、次のとおり。

音の出どころ 大きさ(測った場所・いつ) 身近な音でいうと
施設全体 60〜80dB(敷地の境界で計測。24時間) 普通の会話〜地下鉄の車内
非常用ディーゼル発電機 90〜105dB(約8m離れて計測。月1回ほどの試運転と停電時) 騒々しい工場の中〜電車が通るときのガード下
冷却塔・屋上ファン 70〜85dB(約15m離れて計測。24時間) 騒々しい事務所の中〜地下鉄の車内
変圧器のうなり 40〜68dB(24時間。音量は小さめでも、120Hzの低いうなりは強い不快感を招きやすい) 図書館〜普通の会話より少し大きい音

身近な音の例は、自治体の「音の大きさのめやす」による。印西の施設の予測値・測定値は、産経新聞の記事にはまだ出ていません。

数字以上に住民を苦しめるのが、音の「質」です。低い音は壁や窓を通り抜けて遠くまで届き(米国では1.6キロ先まで届いた例も)、変圧器の音は120Hz前後で揺れているため「うなり音」になります。米バージニア州議会の調査機関(JLARC)の報告は、苦情のあった施設の音は40〜59dB(騒音計の標準の「dB(A)」表記。人の耳に合わせて低い音を小さめに数える)で、聴力を傷つけるほど大きくはなく、騒音条例に違反することもめったにないと記しました。それでも住民は、鳴り続ける音が暮らしに響くと訴えています。

騒音は体にどのような影響があるのか、論文の数字で見る ―― 10dB上がるごとに心臓病のリスク8%増、道路騒音55dB以上でアルツハイマー病リスク27%増

研究が示す騒音の害は、耳だけにとどまりません。WHOの指針(2018年)は、道路交通の騒音を53dB(普通の会話くらい。昼夜を含む1年間の平均)未満、夜間は45dB未満に抑えるよう推奨しています。土台になった研究では、道路騒音が10dB高いごとに心筋梗塞などのリスクが8%上昇しました。

デンマークで約200万人を追った道路騒音の研究(BMJ、2021年)では、騒音の10年間平均が55dB以上の人は、40dB未満の人よりアルツハイマー病の発症が27%多くなっていました。また、先ほど説明したように、データセンターの音は「24時間止まらず」「低い音で壁や窓を通り抜ける」。産経新聞の記事にもあるように、印西の住民の不安は眺めや景観だけではなくこの「音」にもあります。

少し話は変わりますが、騒がしいなかで声を聞き分ける脳は鍛えられる。1日30分の「耳の脳トレ」

エアコンの音、車の音、店内のざわめき。鳴り続ける音の中から相手の声だけを選び出しているのは、耳が拾った音を処理する脳です。

私たちneumoが8年かけて開発した「キクモア」は、この脳の聞く力をスマホで鍛える「耳の脳トレ」です。59〜88歳の16人が1日30分を目安に2〜3か月取り組んだ自社の検証では、SN比(雑音の中で言葉を聞き取るのに必要な、声と雑音の音量差)が平均3.1dB改善。雑音のエネルギーが約2倍の場所でも聞き取れるようになる変化です。利用者の方からは、こんな声が届いています。

「左耳に補聴器をつけていて4〜5人で外食すると全く聞き取れなかったが、6〜7割は聞き取れるようになった」

―― 70代 女性(補聴器使用)

「人工内耳ユーザーです。騒音下での聴き取り向上のため、キクモアトレーニングを始めました。当初は妨害音に苦戦していましたが、毎日続けるうちに、音の違いが分かるようになりました」

―― App Storeのレビューより(人工内耳使用)

※声は個人の感想です。キクモアは医療機器ではありません。

周りの音は自分では減らせなくても、聞き分ける脳の側は鍛えられます。キクモアを一度試してみてください。

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補聴器をつけても、聞き取りづらい?耳の脳トレキクモア