【朝から耳ラジオ】第2回「高い音と低い音——耳の中で起きている小さな世界」

2026年7月12日(日)の朝6時から、ラジオ日本「朝から耳ラジオ」の第2回が放送されました。日曜の朝のひととき、ラジオに耳を傾けていただけましたでしょうか。
キクモアを運営する弊社neumoの代表取締役CEO・若林が、フリーアナウンサーの小川真由美さんとともに「耳と脳の関係、耳と脳の不思議」に迫っていくこの番組。第2回のテーマは「高い音と低い音——耳の中で起きている小さな世界」でした。
放送でどんなお話があったのか、振り返っていきます。
ジャズピアノと英語のヒアリング——若林と音楽のはなし
本編に入る前に、前回に続いて若林のプロフィールを深掘りしました。もともと音楽が大好きで、幼少期にはピアノかバイオリンかの選択を迫られ、みんなと同じではないほうがいいとバイオリンを選んだそうです。
大人になってからは、ラジオ番組のCDで聴いたジャズピアニスト、オスカー・ピーターソンの「It's Impossible」に衝撃を受けます。表参道を歩きながら聴いていて、その場で踊りたいくらい気持ちよくなり、走ってしまったというエピソードも飛び出しました。「一生のうちにこれを弾かないで終わることはない」と、そのままジャズピアノ教室を探してジャズを始めたといいます。
さらに、ただ聴くだけでなく、音を聴き取って自分で演奏する練習を重ねるうちに、英語のヒアリングが良くなったと感じた経験も語られました。
高い音と低い音は、蝸牛の「場所」で聞き分けている
トークの本編は、耳の構造のお話です。耳の入り口である外耳道の先には鼓膜があり、その奥の中耳には「耳小骨」という、人間の骨の中で一番小さい骨が3つ集まっています。さらに奥の内耳には、カタツムリのような形をした「蝸牛(かぎゅう)」があり、これが今回の主役です。
蝸牛では、音の高さによって振動する場所が違います。2万ヘルツのような高い音は入り口の近く、5000ヘルツくらいの音は中間、20ヘルツのような低い音は一番奥が振動し、それぞれ電気的な信号に変えて脳に送っています。音を捉える場所が、音の高さによって分かれているのです。
なぜ高い音から聞こえにくくなるのか?
蝸牛の入り口部分は、高い音だけでなく、それ以外の音が入ってきたときにも振動しています。振動するたびに、音を信号に変える細胞が使われて摩耗していき、やがて信号に変換できなくなってしまいます。
そのため、入り口が担当する2万ヘルツ、1万9000ヘルツ、1万8000ヘルツ……と、高い音から順に聞こえにくくなっていく。これが、年齢とともに高い音が聞こえづらくなる原理です。
では、聞こえの衰えはいつごろから始まるのでしょうか。
難聴の入り口である「軽度難聴」に該当する人は、男性では60代後半から、耳が少し良い女性では70代前半から、40%を超えるといいます。さらに8000ヘルツという高い音に限れば、男性は50代後半、女性も60代前半には、平均で軽度難聴のレベルに近づくそうです。
軽度難聴の基準は、25デシベル——ごく小さいささやき声ほどの大きさ——が聞こえなくなってくることです。ヘルツは音の高さ、デシベルは音の大きさを表します。音の高さの目安として、8000ヘルツは小鳥のさえずり、4000ヘルツは体温計など家電の電子音、2000ヘルツはやかんの音に近いと紹介されました。
体温計の音、6割が聞き取れない?——暮らしの中の高い音
比較的早くから聞こえにくくなる4000ヘルツ帯の音は、電子レンジ、体温計、ガスコンロの警報音など、身の回りの家電にたくさん使われています。
番組では、主に70歳以上の人を対象に、体温計の音(2700ヘルツや4000ヘルツ)に気づけるかを調べた実験が紹介されました。結果は、60%の人が聞き取れなかったというものです。音量を上げたり、低い音を混ぜたりしても、それでも3人に1人は気づきませんでした。ところが、バイブレーション(振動)付きにしたところ、97.8%——ほぼ全員が気づいたといいます。
キッチンタイマーも気づきにくい家電のひとつです。メロディー付きのタイマーはいろいろな高さの音が混ざるため高齢の方でも気づきやすく、光でお知らせしてくれる製品もあります。自分の耳が高い音を捉えづらくなってきたなと思ったら、そうした製品を探してみるのもいいかもしれません。
次回放送
第3回目の放送となる次回は、「バービー人形と“耳の世界”——おもちゃから広がる多様性のはなし」がテーマです。
人形の中にも補聴器が登場している——そんな、おもちゃから広がる多様性のお話をお届けする予定です。
ぜひお聴きください!
「朝から耳ラジオ」番組情報
「朝から耳ラジオ」は、「毎日の会話に寄り添う」株式会社neumoの提供でお届けする番組です。neumoの代表取締役CEO・若林龍成が、フリーアナウンサーの小川真由美さんとともに、毎回「耳と脳の関係、耳と脳の不思議」に迫っていきます。若林が自身の経験から感じた「音」と「脳科学」の面白さをお届けしていきます。
番組名:朝から耳ラジオ
放送日時:毎週日曜6:00〜6:15 (2026年7月5日より放送開始)
放送局:ラジオ日本 FM92.4MHz/AM1422kHz
radiko:
https://radiko.jp/index/JORF/
(放送時間外は別の番組が表示されます。放送時間にクリックすると「朝から耳ラジオ」が表示されます。)
第2回「高い音と低い音——耳の中で起きている小さな世界」
2026年7月12日(日)放送
https://radiko.jp/#!/ts/JORF/20260712060000
(放送日より7日以内視聴可能)
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