【朝から耳ラジオ】第3回「バービー人形と“耳の世界”——おもちゃから広がる多様性のはなし」

ラジオ日本「朝から耳ラジオ」の第3回を、2026年7月19日(日)の朝6時からお届けしました。今週もお聴きいただけましたでしょうか。

この番組では、キクモアを運営する弊社neumoの代表取締役CEO・若林が、フリーアナウンサーの小川真由美さんと一緒に、毎回「耳と脳の関係、耳と脳の不思議」に迫っていきます。第3回のテーマは「バービー人形と“耳の世界”——おもちゃから広がる多様性のはなし」でした。おもちゃの話題から、日本と海外の補聴器事情、さらには人によって聞こえ方が変わる不思議な音声まで、話が広がった15分間でした。

それでは、放送の内容を振り返っていきます。

阿波踊りと篠笛——楽器好きの若林のはなし

冒頭は、前回に続いて若林と楽器のお話です。幼少期のバイオリン、大人になってからのジャズピアノに加え、和楽器では能管・篠笛・三味線と、いろいろな楽器を手がけてきました。いまはもっぱら三味線だそうです。

篠笛は竹でできた横笛で、歌舞伎やお祭りのお囃子で使われる楽器です。始めたきっかけは、チームラボの猪子さんに誘われて徳島の阿波踊りに参加するようになったことでした。所属していた連(れん)には、音を鳴らす「鳴り物」の部隊が実質的に存在せず、笛をきちんと吹ける人が一人もいない状態だったといいます。踊りも演奏もうまくないグループのままでは、本場・徳島で連の居場所がなくなってしまうのではないか。せめて音の質が上がれば居場所ができるのではないか——そう考えた若林は、自ら鳴り物の部隊を作り、そこで手に取ったのが篠笛でした。ここからいろいろな楽器に取り組むようになったそうです。

補聴器を付けたバービーが登場

本編のテーマは、バービー人形と耳の世界です。子どものおもちゃとして知られるバービーですが、実際には大人がコレクションできる本格的なものになってきています。その中の「バービーデラックススタイル」というシリーズ(価格も4000円以上とデラックスです)から、今年、補聴器付きのバービーが発売されました

このバービーは黒人女性の人形で、補聴器を付けた耳が見えるように髪を後ろで縛っています。耳元の補聴器は、一見すると大きなイヤリングが付いているようにしか見えない、おしゃれなデザインです。

背景には、アメリカやヨーロッパで広がる多様性や「インクルージョン」——チームやコミュニティの中で仲間外れになる人を防ぎ、みんなを内側に迎え入れようという考え方——を、バービーを通して推し進めたいというメーカーの狙いがあるのではないか、と若林は話しました。また、欧米でも補聴器を付けることには抵抗を感じる風潮があるようで、それを打破したいという狙いもあるのではないかといいます。

難聴を自覚する人の補聴器使用率は15%——海外との大きな差

補聴器については、日本と海外で使っている人の割合が驚くほど違うというお話もありました。日本では、難聴を自覚している人のうち補聴器を付けているのはわずか15%です。一方、ドイツでは41%、フランスも40%を超え、デンマークでは55%の人が付けています。

その理由として、本人も周囲も「歳相応」と受け止めてしまうなど難聴への意識の違いや、医療制度などのサポートの差といった、さまざまな要因が絡み合った複雑な問題ではないかと語られました。多少聞こえづらくても「歳だからしょうがない」で済ませてしまう風潮は、日本では思い当たる方も多いのではないでしょうか。

「ヤニー」と「ローレル」——同じ音声なのに聞こえ方が違う?

後半は、2018年に話題になった不思議な音声のお話です。同じ音声なのに、ある人には「ヤニー」、別の人には「ローレル」と聞こえるというもので、スタジオでも実際に流してみました。小川さんの答えは、なんと「イエアリー」でした。

種明かしをすると、この音声にはヤニーの音とローレルの音の両方が入っています。高い音を聞き取るのが得意な人はヤニー側に、加齢などで高い音が聞こえづらくなっている人は、残った低い音からローレル側に聞こえやすくなるといいます。もちろん個人差があり、若林のように両方聞こえる人もいれば、ヤニーとしか聞こえない人もいるそうです。

前回お話しした「年を重ねると高い音から聞こえづらくなる」という耳の変化が、体温計や冷蔵庫の電子音だけでなく、こうした音声の聞こえ方の違いにも現れるというわけです。

音の高さを整理すると、高い音は周波数の数字が大きく、低い音は小さくなります。体温計や電子レンジのお知らせ音は4000ヘルツや2000ヘルツというかなり高い音で、ヤニーに含まれる音に近い高さです。一方のローレルには、500ヘルツや900ヘルツほどの低い音が含まれています。500ヘルツは昔の電話の受話器の「ツー」という音、900ヘルツはNHKラジオの時報の最後の「ポーン」という音が近いそうです。

さらに、この音声から1000ヘルツ以下の成分をすべて削除すると、ヤニーとしか聞こえなくなり、逆に1000ヘルツより高い成分を削除するとローレルとしか聞こえなくなる、という検証をした人もいるといいます。音がいろいろな高さの成分でできていることがよく分かる実験です。YouTubeで「YANNY LAUREL 比較」などと検索すると出てきますので、気になる方は聴き比べてみてください。

次回放送

次回のテーマは「「自転車でイヤホン禁止」のひみつ——街の音を巡るルール」です。今年4月から自転車にも青切符が切られるようになったことに関連して、自転車とイヤホンをめぐるお話の秘密に迫っていきます。

ぜひお聴きください!

「朝から耳ラジオ」番組情報

「朝から耳ラジオ」は、「毎日の会話に寄り添う」株式会社neumoの提供でお届けする番組です。neumoの代表取締役CEO・若林龍成が、フリーアナウンサーの小川真由美さんとともに、毎回「耳と脳の関係、耳と脳の不思議」に迫っていきます。若林が自身の経験から感じた「音」と「脳科学」の面白さをお届けしていきます。

番組名:朝から耳ラジオ
放送日時:毎週日曜6:00〜6:15 (2026年7月5日より放送開始)
放送局:ラジオ日本 FM92.4MHz/AM1422kHz
radiko:
https://radiko.jp/index/JORF/
(放送時間外は別の番組が表示されます。放送時間にクリックすると「朝から耳ラジオ」が表示されます。)

第3回「バービー人形と“耳の世界”——おもちゃから広がる多様性のはなし」2026年7月19日(日)放送
https://radiko.jp/#!/ts/JORF/20260719060000
(放送日より7日以内視聴可能)


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