「失われた聴力は戻らない」国が初の実態調査へ――「耳と脳」の講座で聞かれた3つの質問

日経新聞が報じた「イヤホン難聴」――国が初の実態調査へ
日本経済新聞は2026年9月12日に、『「イヤホン難聴」予防が肝心 回復難しく啓発課題、初の実態調査へ』という記事を掲載しました。記事は、スマートフォンなどでイヤホンを長時間・大音量で使うことで起こる騒音性難聴の対策に、国や医療機関、学校が動き始めたと伝えています。国は数万人規模の実態調査を、2027年春にも始める見通しです。
自覚症状がなく進行し、失われた聴力は戻らないリスクがある
出典:日本経済新聞 2026年9月12日『「イヤホン難聴」予防が肝心 回復難しく啓発課題、初の実態調査へ』(記事ページ)
なぜ「失われた聴力は戻らない」のか
私は講座で、この理由を「蝸牛(かぎゅう)」の話として説明しています。カタツムリの形をした蝸牛には音を電気信号に変える細胞が並んでいて、その入り口は高い音のときも低い音のときも使われます。そのため入り口の細胞が先に疲れて脱落し、高い音から聞こえにくくなります。鳥はこの細胞が再生しますが、人間の場合、今のところ元には戻りません。
WHO(世界保健機関)が示す安全に聞ける目安は、大人が80dB以下、子どもが75dB以下で、それぞれ週40時間までです。80dBは、地下鉄の車内とほぼ同じ大きさの音です。
「耳と脳」の講座で聞かれた3つの質問
ここからは記事を離れて、私自身の話です。2026年9月18日、私は社会教育会館で開かれた「耳と脳」をテーマにした講座で講師を務めました。この講座は受付開始からすぐに定員が埋まり、キャンセル待ちも十数名出たと伺いました。耳への関心はそれだけ高いのだと思います。質疑応答では、日経新聞の記事と重なる質問が次々と出ました。
Q1. 寝るときにイヤホンをつけたままでも大丈夫ですか
私は「耳にはかなり良くありません」とお答えしました。眠っている間、本人は音量も時間も調整できないからです。iPhoneには「ヘッドフォンの安全性」という設定があり、利用者は音量の上限を決められます(私は75dBにしています)。ただ設定より先に、寝るときはイヤホンを外すことをおすすめします。
Q2. イヤホンとヘッドホン、骨伝導では、どれが耳にいいですか
形よりも、大きな音で長く聞かないことが先です。そのうえで私が挙げたのは、周りがうるさいときに音量を上げずに済むかどうかという観点です。AirPods Proのようなノイズキャンセリング機能付きのイヤホンは、電車やエアコンの「ザー」という音をかなり抑えます。一方、骨伝導イヤホンは耳の穴をふさがないため、外では雑音がそのまま入り、利用者は音量を上げがちです。私が試したときも、静かなオフィスでちょうどよかった音量では、外に出ると音楽がほとんど聞こえませんでした。
Q3. 孫がイヤホンを使っています。何時間までなら大丈夫ですか
答えは音量と年齢によって変わります。お孫さんが成人していれば80dB、小さいお子さんであれば75dBが目安で、いずれも週40時間までです。音が大きくなるほど、安全に聞ける時間は短くなります。連続して聞き続けないことも大切で、厚生労働省はリーフレットで、少なくとも1時間に1回、10分程度は耳を休めるよう呼びかけています。
(イヤホン難聴とは別の話ですが)雑音の中で言葉を聞き取る力
講座の後半では、参加者の皆さんと一緒に「2人の話し声が邪魔をする中で、3桁の数字を聞き取る」体験をしました。邪魔をする声が聞きたい声と同じ音量まで近づくと、正解できる方は一気に減ります。静かな場所では聞こえるのに、居酒屋や駅のホームでは急に聞き取れない。ここには、耳に入った音を脳が聞き分ける働きが関わっています。
私たちのキクモアは、この脳の働きに着目した「耳の脳トレ」アプリです。キクモアの利用者は、正解の音と不正解の音を聞き分けるゲーム形式の耳の脳トレに、スマートフォンで1日30分を目安に取り組みます。「音は聞こえるのに、騒がしい場所だと会話が聞き取りにくい」と感じている方は、キクモアの耳の脳トレを試してみてください。初めての方は、キクモアを2週間無料で試せます。
[PR] 脳の聞く力を鍛える「キクモア」
キクモアは、スマホアプリで日々トレーニングすることで脳の聞く力を鍛える耳の脳トレです。→キクモア聞こえのトレーニング


