戦争は耳にも悪い

新規の「補償」受給理由のトップが「耳鳴り」
Veterans Benefits Administration Annual Benefits Report(退役軍人給付局 年次給付報告書)という報告書が毎年出ていて、これを見ると米国の退役軍人の方がどのような障害で補償を受け取っているかが分かります。
2024年度版を見るとトップが「耳鳴りTinnitus」で273,502人も新規に補償を受け取っています。
「難聴」も5位に入っている
難聴(Hearing loss)も108,105人で5位に入っています。新規以外の受給者を含めたトータルの数字では1,594,271人も難聴での給付者がいます。
耳鳴りについてもトータルでは3,255,323人も受給者がいます。
軍にいるとなぜ耳が悪くなってしまうのか?
様々な要因によって軍の関係者は難聴になります。以下に簡単に列挙します。
- 衝撃音(Impulse Noise):銃声・爆発・重火器・砲撃
- 持続的な騒音(Continuous Noise):航空機・ヘリ・車両・艦艇内における騒音。車両系はスピードが速いほど騒音も大きくなる
- 爆風などによる構造破壊(Blast Injury):爆発時の音ではなく「圧力波」による耳小骨や蝸牛の損傷
- 頭部外傷による中枢性障害(Central Auditory Dysfunction):爆風や衝撃で脳の聴覚処理が損傷し会話理解や音源定位に支障。聴覚検査自体は「正常」のことも
- 化学曝露(Ototoxic Chemicals):ジェット燃料や有機溶剤などの耳毒性物質への曝露によって起こる聴覚障害
- 気圧外傷(Barotrauma):飛行・空挺降下・潜水などによる急激な気圧変化が招く鼓膜破裂や内耳の損傷
耳の保護はしてないの?
公式資料でも軍は、ライフル・機関銃、または迫撃砲やロケット弾のテストや訓練を行う際には「耳の保護装置(Hearing Protection)」を着用することを求めています。
しかしHearing Protectionを装着することで命令が聞こえづらくなったり、敵の方向が分かりづらくなることもあります。そのようにHearing Protectionを「邪魔」と感じてしまうと、装着しなくなるようです。
<neumo 若林 龍成メモ>
軍隊ほど過酷な状況ではありませんが、楽器演奏や音楽鑑賞(120dBを超えることも)でも相当な音量になります。音楽用耳栓というのが売ってますので、必要に応じて耳の保護を行ってください。


