難聴児と一言で言っても、その内実は多様
「デフリンピックで見えた「壁」を深掘りする」という日本フィランソロピー協会主催の講演会に行ってきました。場所はBLUE FRONT SHIBAURAという芝浦に開業したばかりのビル(にあるコニカミノルタさんの本社)です。
聴覚障害への理解はまだまだ浅い
尾中さんのお話が特に印象に残りました。デフリンピックの開会式で、一青窈さんが国歌を斉唱した際、カメラが一青窈さんの歌っている姿をアップしたそうです。
通常のオリンピックであればそれは普通のことかもしれませんが、耳が聞こえない人の大会です。手話をアップにするとか、画面を分割して歌っている姿と手話を同時に映した方がよかったかもしれません。もちろん尾中さんはそれを糾弾したかったわけではなく、そういったちょっとしたことに障害に対する理解の差があると言いたかったんだと思います。
他にも聴覚障害児に関するお話もたくさんして頂き、例えば放課後等デイサービスという福祉制度があり全国に2万3,000件ほどあるそうですが、聴覚障害に特化したものはたった20件だそうです。
以下では講演を受けて私が感じた話をまとめます。
全国に1万5,000人はいるとされる聴覚障害児だが…
聴覚障害に関する身体障害者手帳を持っていると推定される18歳未満の児童数は、1万2,000人から1万5,000人ぐらいとされています。
両耳の聴力レベルが70dB以上、もしくは片耳90dB以上+他耳50dB以上で初めて「聴覚障害」という基準に該当します。
つまり片耳は50dB(中等度難聴)でもう片方が70dB(高度難聴)という場合には、障害者手帳がもらえず上記の1万5,000人には含まれないことになります。
例えば長野県で生まれた新生児を対象にした研究では、先天性難聴(中等度難聴以上という基準)は出生1,000人当たり1.62人(両側性0.84人、一側性0.77人)というデータもあります。これをそのまま全国の出生数に当てはめると、粗い推計にはなりますが18歳未満の聴覚障害児の数は3万人近くまで跳ね上がります。
カウントする基準すら曖昧なその他の聴覚障害児
さきほどの3万人弱という推計値には軽度難聴(25〜40dB未満)の難聴児は含まれていませんが、軽度難聴についてはいざやろうと思えば計測することは可能です。
世の中にはAPDやLiDと呼ばれる聴覚障害もありますが、定義上これらの障害は「聴覚障害児」としては含まれていません。
APDやLiDというのは静かな環境では普通に聞こえてはいるが、複数人に同時に話をされると処理ができない(騒がしい環境下で聞くことが苦手)とか、音として脳に伝わるが理解できない、あるいは処理が追いつかないという障害です。
しかも、まだ全容が解明されていないため(研究は進んでいる)、一体何人そういった児童がいるかも把握できていません。
<neumoメモ(若林 龍成)>
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