海外のライブでは「耳栓」が当たり前?

スイスでは39%の人がコンサートで耳栓を使用

WHOの騒音対策レポートの事例集によると、スイスではある調査によるとコンサート来場者の39%の人が耳栓などの聴覚保護をしています。

意外なことにEDM文化圏の人も耳栓使用率が高く、耳栓使用をいつももしくは頻繁に使用する率が、EDM48.49% vs. 非EDM29.56%という結果になりました。

聴衆の耳を守ることが「義務」となっているスイス

スイスではクラシカルのように楽器自体の音ではなく、電子機器によって音が増幅されて演奏されるイベントで、かつ平均音圧が93 dB(A)超になり得る場合、州当局への届け出が必要になります。無料耳栓の配布や聴衆への注意喚起は義務となっています。

また、96 dB(A)超かつ3時間超の場合は、耳を保護するための休憩スペース(Chill-Out Zone)を設ける必要があります。

届出義務を怠る、虚偽の届出をする、無料耳栓を配らないなどの違反をした場合には、約400万円〜800万円の罰金の可能性もあります。

ちなみに、ベルギーのフランダースやブリュッセル、フランスにも厳しい法律があります。

トロントのコンサートで耳栓を配布したら使用率が6倍超に

トロントのロックコンサートで耳栓を無料配布しなかった3公演では使用率1.3%(637人中8人)しか耳栓を使用しませんでしたが、入口で無料配布を行った3公演では8.2%(318人中26人)6倍超に跳ね上がりました。

やっぱり耳栓大事。「耳栓無し」群の方がフェス直後に聴力が低下してた

ユトレヒト大学医療センターの研究グループがアムステルダムの屋外フェスで耳栓群と非耳栓群で比較してみました。平均音圧は100 dB(A)なのでかなり大きな音です。

フェス直後の聴力検査の結果、3,000Hz〜4,000Hzの一時的な聴力低下(10dB以上の閾値悪化)は、耳栓群8%に対して非耳栓群はなんと42%でした(人単位ではなく両耳を分母として計算)。

<neumo 若林龍成(りょうせい)メモ>

スイス・ベルギー(フランダースやブリュッセル)・フランスなどは「イベントにおいて来場者の耳を保護する」ことが法的に規制されているので違反すると罰則があります。非常に進んでいると思います。

罰則規定はありませんがオランダも国が主導となり、許容音量、測定、聴覚保護、来場者への周知、従業員の知識向上などを進めています。「ライブ・クラブ・フェス」における観客の聴力保護が政策課題になっています。

ライブなどでの聴覚保護について一気に罰則規定までは大変だと思いますので、日本が目指すはオランダかもしれません。

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