「音楽が聴こえる耳鳴り」に多い音楽の種類は?

耳鳴りには音楽が聴こえる耳鳴りがある

通常のキーンなどの耳鳴りとは異なり、音楽が聴こえてくる耳鳴りがあります。精神疾患由来の幻聴と分けて考えることもあり、楽音性耳鳴(がくおんせいじめい)と呼ばれています。英語だとMES(Musical Ear Syndrome)と言います。

宗教音楽や愛国歌が聴こえてくる

楽音性耳鳴患者の報告によると、特に西欧文化圏になりますが讃美歌やクリスマスソング、ミサの合唱など宗教音楽が聴こえる人が多いです。

ブラジル国歌・カナダ愛国歌・アメリカ国歌などの愛国歌も多いようです。

他にも日本の歌謡曲、ナポリ民謡、ポルトガルの大衆音楽など、その国で育った人が懐かしい曲として思い出すような曲が耳鳴りとして流れてきます。

日本では「知らない曲が聴こえる」と答える人の割合が多いのはなぜ?

ウェールズの高齢者を対象にした15年間に渡る30症例の研究では約87%(26人)が「馴染みのある曲(familiar tunes)が聴こえると答えており、そのさらに3分の2が賛美歌(Abide with meなど)でした。

他にも海外の研究では「知ってる(familiar)」と答える人の割合の方が断然多いです。しかし、これらの研究は純粋に楽音性耳鳴だけを対象にしたものではありません。

一方日本の耳鼻咽喉科を受診した楽音性耳鳴患者23例に特化した症例報告では、「知らない歌や旋律」と答えた患者が約65%(15例)に上り、「知ってる歌や旋律」の約35%(8例)を大きく上回りました。

対象者のプロファイルが統一されていないので単純比較はできませんが、ヨーロッパのミサや礼拝に行く習慣が根強く残っている(もしくは過去に残っていた)地域も多く、みんなで一緒に毎週同じ歌を歌っていたことにより宗教歌が耳鳴りとして流れやすく、かつ曲名も容易に思い出しやすいのかもしれません。

逆に日本の場合は「太鼓」「三味線」など曲ではなく音色だけの報告もあります。曲に関しても宗教歌ほど脳に刷り込まれているわけではないので「聞いたことがあるけど思い出せない」曲についても、知らない曲として報告されている可能性があります。

<neumo 若林龍成(りょうせい)メモ>

こちらのブログでも書きましたが、講演で「耳鳴りがするんですが、普通の耳鳴りではなく音楽が聞こえるんです。原因は何でしょうか?」と聞かれたことがきっかけで、その後耳鼻科の先生とお話している中で楽音性耳鳴(がくおんせいじめい)を知りました。

男性よりも女性に多いのも特徴で、こちらについては日本も海外も変わりません。

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