「テレビの音量」だけじゃない、家族の難聴を見分ける重要なサイン(フランス政府推奨)

親や一緒に暮らしている人の難聴のサインとして「テレビの音量が大きくなった」というのはよく聞く話です。
フランス政府が2025年に掲載した記事や仏保健省のガイダンスには難聴の様々なサインが挙げられているので、今回はこれらをもとに「加齢性難聴の兆候」を紹介します
雑音の中で家族や友人と話すと会話にならない(なりづらい)
フランス保健省の加齢性難聴(presbyacousie)の解説では、静かな環境での聴力(純音聴力検査)や言葉の聴き取りの明瞭度(語音聴力検査)よりも、雑音下や複数人会話下での言語理解が低下することが加齢性難聴の初期のサインだとしています。
「後ろからの音(車や声)に気づかない」は地味に危険
人間(動物も)はよくできているので、左から誰かが来るぞとか右後ろから車が近づいていることが音によって把握することができます。
音の方向について左右の聞き分けは低音域の左右の時間差で聞き分けます。低音域は波長が長いため頭ぐらいの大きさは簡単に飛び越えてしまい、左から来た音が左耳に入った後も、時間が遅れて右耳にも到達します。これによる左右時間差が生じるので脳が「おっ、この音は左から来たな!」ということが分かります。
後ろから来る音の聞き分けは主に高音域の音で判別します。高音域は波長が短いので、耳(耳介)で音が削られて小さくなって(減衰)しまいます。従って前から来た音よりも後ろから来た音は高音域成分が少なくなるため脳は「あ、この音は後ろから来たのね」と判別することができます。
話を「後ろからの音(車や声)に気づかないことは地味に危険」というテーマに戻すと、加齢性難聴は高音域から聴こえなくなるため、音が前から来ようが後ろから来ようが聴こえに差がなくなってしまう(小さくなってしまう)ために、脳が後ろから来る音を判別しづらくなるということです。
他にもある難聴の兆候
上記に加えて「耳鳴り、何度も聴き返す、早口が苦手、劇場・講演・イベント会場で聞き取りづらい」なども加齢性難聴の兆候や症状として挙げられています。
難聴は認知症の最大リスク要因
医学論文誌The Lancetで2020年に掲載された論文にあるように「難聴は認知症の最大リスク要因」です。
難聴による脳のネットワークの乱れや、聴こえづらいことで人との関わりが少なくなることなどによって、うつ病のリスクも増加します。
家族や友人、ご自身の聴こえについて気になった場合は、早めの耳鼻科の先生に相談してみてください。
<neumoメモ(若林 龍成)>
フランス保健省が推奨しているHöra(スウェーデン語で「聞く」)という自分で難聴度合いを把握する測定アプリでは、雑音下で3桁の数字を聴くDigits in Noiseという方式を採用しています。
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