犬も生まれつき難聴になることがあるの?

生まれつき難聴の犬がいる
先天性難聴では実は100種を超える犬種で難聴が報告されています。特に有名なのがダルメシアンで、有病率17.8%(英国大規模データ8,955頭中)で片耳難聴13.4%・両耳難聴4.4%です。米国では30%だったという数字もあります(データが少し古い)。
片耳難聴の場合、日常行動にほとんど現れないため飼い主が気づきづらいという問題もあります。
人間同様、子犬の難聴検査もある
検査名はBAER(Brainstem Auditory Evoked Response)と言います。実は人間でも同様の検査があり ABR と呼ばれていて、音に対する脳波の反応を見るしっかりした検査なので、大人が健康診断や耳鼻科でこの検査を受けることは稀です。
実はヒトの赤ちゃんでも子犬と似た検査をする
大人が耳鼻科に行った時に聴こえてるかどうかを脳波で測ることは稀と言いましたが、実は新生児の場合は子犬と同様、脳波を使って聴こえてるかどうかを見ることがあります(OAEという内耳の細胞の反応を見ることも)。
両者に共通するのは「聴こえたかどうかを口で説明できない」という点です。
子犬の検査は赤ちゃんの検査よりもアバウト?
犬の検査(BAER)では音を聞かせて、その音に対して子犬が反応できているか(聴こえているか)どうかを脳波の反応でみます。この検査で使う音の音量は70〜105dB(dB nHL)です。ヒトの赤ちゃんの場合は35dB(dB nHL)なので、ヒトの検査のほうがより厳しい基準で聴力を測ってます。
犬の場合は「完全に聴こえない」ことを検査してるので、そもそも目的が違うと言えば違います。ヒトの赤ちゃんに行っているようなより精密な検査が広範囲では実施されてないのが実情です(良い悪いではなく)。
家畜化が難聴を生む?
全ての家畜が難聴になってるわけではありませんが、ダルメシアンのように「斑点模様(白斑化)」は様々な家畜で好まれてきました。
馬ではアメリカン・ペイント・ホース、白猫、ヤク(牛科、高山に生息)でいずれも白斑と難聴の関係が示されています(特に白斑&青眼)。
これは色素が薄くなることと内耳の細胞(血管条で電位を作る細胞)の異常に共通のメカニズムがあるためです。
背景として、ダルメシアンなどのように「人間の好み」という選択圧によってまだら模様や白い家畜が好まれることや、野生生物と異なり周りの景色などに溶け込む(カモフラージュ)必要がなくなったことで色素が薄くても生き残れるなど複数の要因が考えられます。
<neumo 若林龍成(りょうせい)メモ>
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