オーストラリアの公共施設では補聴器にダイレクトに音が飛んでくる

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補聴器や人工内耳に直接音を届ける「ループ」という仕組み

補聴器をつけていても講演者の声が聴こえづらかったり、電車のホームなどは騒がしいためアナウンスが聴こえなかったりします。

そんな時に「ヒアリングループ(磁気ループ)」が役に立ちます。マイクやアナウンスの音の情報が「磁場」に変換され、補聴器や人工内耳に予めつけられている「Tコイル」が磁場情報を電気信号に変換し耳に音を届けるという仕組みです。もちろん、Tコイル対応の補聴器・人工内耳に限られます。

オーストラリアでは「ループ」の普及が進んでいる

オーストラリアでは鉄道・地下鉄にもループが入ってます。例えばSydney MetroのM1路線の場合は駅すべてにループが設置されています

他にも交通、行政窓口、劇場、議会、大学など複数の公共分野で、ループなどの聴覚補助装置の普及が進んでいます。

なぜオーストラリアはループ設置に積極的なの?

法律にあるからというのがストレートな答えですが、土台にある法律「障害者を差別してはいけない」という規定があり、それが建築法における「聴覚障害者に対して聴こえの支援をしなければいけない」という条文に繋がります。適用条件はありますが、新築だけでなく既に建てられた建造物も対象になります。

もちろん全ての建物ではなく「公共性がある建物」で、しかも建物全体ではなく会議場・ミーティングルーム・チケット売り場などコミュニケーション上必要なところに限ります。そして設置するのはFM無線などループ以外の聴覚補助システムでも構いません。

日本でループが普及しない理由

日本でも建築設計標準に聴覚障害者用の補助装置設置について書かれてはいますが、必須ではなく「望ましい」というレベルです。

またそれだけではなく、自己申告ベースにはなりますが日本で自分の補聴器にTコイルがついていると認識している人はわずか6%です。

施設が対応してないから認識してないし、ユーザの認識してないので施設の対応も進まないという相互の悪循環もあるのかもしれません。

<neumoメモ(若林 龍成)>

人工内耳メーカーの元社長さんとランチをしていた時に、今回のオーストラリアの件を教えていただきました。オーストラリアは聴覚脳科学も進んでいるので、どこかでまたご紹介したいと思います。

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